【MIA症候群対策】AN69膜の積層型H12はマジで有用

透析

困った人

困った透析新人MEクン「どんどん痩せていってる患者さんに積層型を使おうって話になったんだよね。
積層型って学校でちょっと習ったけど、あまりよく分からなかったんだよね。どんな特徴のある膜なのか教えてくれない?」

AN69膜である積層型ヘモダイアライザーH12
これって今のメインである膜とは全く特性が違い、低栄養や慢性炎症をターゲットとする膜。
古い膜ではありますが、患者の高齢化や低栄養かが進んだ現在、MIA症候群に対応する膜として愛用されています。


この記事ではAN69膜の特性にスポットを当て紹介していきます。

  • AN69膜の圧倒的特性
  • 積層型はMIA症候群への武器となる

AN69膜の圧倒的特性

積層型の特性
AN69膜は現在主流のPS(ポリスルフォン)膜などと違い、面白い特性が。
この特性がAN69膜が現在も愛される臨床効果を発揮。

  • 陰性荷電
  • 親水性による優れた生体適合性

各々を掘り下げていきます。

陰性荷電はアルブミンを跳ね返す

アルブミンはNegatibe Chargeされています。カッコよくいいました。マイナスに帯電しています。
AN69膜も陰性のため、膜のチャージバリアでアルブミンが跳ね返されるため、

アルブミンが吸着・透過しない

一般的にPS膜でもアルブミンのふるい係数0.001未満と言われており、ほぼ膜から抜けないとは言われています。ならなんでAlbが下がるんでしょうか?
でも、膜面に吸着するものはふるい係数は関係ありません。普通の透析だとやっぱりアルブミンは下がっていく傾向になりますね。

陰性家電は陽性荷電物質を吸着

炎症性サイトカインや活性化補体はPositive Chargeされています。
マイナスとプラスはくっつきますね。

炎症性物質は膜に吸着

生体適合性が優秀な親水性膜特性

合成高分子膜と違い、膜が親水性を持っています。
親水化させるために合成高分子膜はPVPなどを使用。これが溶出することで患者の病態に何らかの悪い影響を与える可能性があると言われています。
AN69膜は親水性を持っているため、そのような物質を使用する必要がありません。

毒性物質が必要ないゆえ生体適合性が超良好

積層型はMIA症候群への武器となる

積層型ヘモダイアライザー
低栄養と慢性炎症を認める患者は、動脈硬化性疾患を高率に発症する病態。
低栄養?慢性炎症?積層型の得意分野ですね。

低栄養

高効率透析やオンラインHDFを行うと、アルブミンが多少抜けていきます。

栄養状態の悪化
→GNRIが下がる

GNRIと炎症が相関することは「» 透析の「痩せ」は危険!MIA症候群を制するものが透析を制す」で解説しています。

栄養状態の悪化は炎症を悪化させ、負のスパイラルに陥る

慢性炎症

前述した通り、炎症性物質は陽性にチャージ。
膜面に吸着することができるので、結果として慢性炎症の改善が見込まれます。

アミノ酸の除去量は優位に少ない

栄養素の抜けの比較資料を紹介。
アミノ酸除去量
アミノ酸の除去量をAN69膜とPS膜で比較した試験ですが、アミノ酸の抜けはAN69膜で有意に少ないという結果。
アミノ酸から蛋白質は合成されますので、栄養状態の悪化を防ぐ膜であると言えますね。

末梢循環改善効果

AN69膜には、血管拡張物質ブラジキニン反応ゆえの末梢循環を改善する効果があります。
AN69膜はその特性ゆえに、難治性下肢潰瘍の治療にも効果があると報告があり、近年フットケア領域でも注目を浴びています。
末梢循環改善効果
末梢循環改善効果によりプラズマリフィリングも促進され、血圧維持にも寄与するデータがあります。

結論

嬉しい人

分かった新人MEクン「何この膜、スゲーじゃん。なんか古臭い膜だなぁと思ったけど、今の透析材料とは全然違う感じなのね。
この膜で救われる患者さんは多そう。全ての患者さんに使えるわけじゃなさそうだけど、ピンポイントに使えるようにしっかり勉強するわ」

そう、この膜で救われる患者さんは絶対います。

積層型を採用していない施設は、MIA症候群のことをもっとよく理解したほうがいい

今やっている透析は患者の病態を悪化させているだけの可能性があるんです。
栄養状態悪化した患者さんに「もっと食べて」って言っても食べられません。
最後にMIA症候群に対応するポイントを。

  • 透析によるMIAの悪化を防ぐ
  • アミノ酸点滴など医療的栄養補助
  • 栄養補助食品などの活用

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